『零璃音~Orion~』Prologue


こんばんわ。


18:00投稿の予定がこの時間になってしまいました。。。

すみません。。。なTAISHINです。


さて、なにも言わずに

どかんっっといきますっっ!!!!!


ほいっ



Prologue


今生きている世界の、どれほどの色が彩りになり 
今生きている世界で、どれほどの音が鼓動に変わり 
今生きている世界が、どれほどの命を輝かす事ができるのか。 


 淡々と過ぎる日々の中で、夢を描き走っている。 

煌びやかな舞台に、鼓動に響く重低音。 

瞳に焼きつく魅惑の衣装。 ドラマを感じる壮大な舞。 

様々な人たちが協力し、思考を練り 人々に感動を与える、ミュージカルや舞台

阿波踊りや、よさこい踊りを見るのが、青年の唯一の至福の時間だ。 


 異世界に迷い込んだような、前衛的な和のエンターテイメントショーを創りたい。 


それが青年の夢だった。 


途方に暮れ、街を歩いていると 大勢の人が街の外れの大きな舞台ホールへ足を運んでいる。 

何気なく、人混みに紛れ同じく舞台ホールの方へ向かってみる。 

今日はショー公演があるらしい。 

こんな小さな街でやる公演を一目見ておこうと、 会場に足を運んだ。 

小さなショー公演の割には、工夫が施されている。 

複数人もの「侍」の格好をした人達が、会場内をウロウロしている。 

ホールの入り口から入ってくる人たちに 

「何者じゃ!!!チケットを見せてみろ!!!!」 と、斬りかかろうとする様は

なかなか迫力がある。 席番を見せたら、侍たちが案内をしてくれるらしい。 

(そういえば、俺は何も言われなかったな。) 

(チケットには自由席と書いてあるし。) 

適当に、見やすそうな前列真ん中の方に座った。 

開演時間が迫る中、怒鳴り声が聞こえてくる。 

一人の侍と観客が揉めているではないか。 


「しばし待たれよ!〇〇番??あそこにはもう人が座っておるぞ。」


と俺の方を指差している。 ん?自由席と書いてあるけど、この辺は指定で買った客の席なんだなと 渋々、侍の格好をしたスタッフの方に近づいていき 


「すみません。自由席と書いてあったのであそこに座っていました。席を変えますね。」


と言った。 侍のスタッフを近くで見ると妙にリアルだ。 

ピリピリと伝わる本物の凄みがある。 (本物なんて見たことないけど、、、、) 

よく見ると持っている刀も血が付いていて、まるで本物だ。 

細部までこだわっているんだなと感心していた。 


 「お主何者だ。チケットを見せてみろ!!!」


 少しのトラブルにもちゃんとキャラを忘れずに突き通している。 よく作られている。 


「自由席?この舞台に自由席なんて設けておらぬ!このチケットはどこで手に入れた?」

 「まさか断りなくこの場所に来たのか?」 

(いやいや、ちゃんと受付で買いましたよ。スタッフさん。)

と 少し呆れた様子で説明しようとすると ガッッッ!!っと腕を掴まれた。 


「無礼者だー!!ここに無礼者がいるぞ!成敗する!!!!!」


 とステージに連れて行かれ、 複数の侍達に囲まれた。 

(おいおい。こんなの聞いてない。斬られる芝居でもすればいいのか?)と顔を赤らめ、やるしかないと覚悟を決めた。

すると妙にリアルな刀を持っている一人の侍が 

「成敗する!!!!」と斬りかかってくる。 

(まさか本物のわけないよな、、、) 


 ジョォバッッッッ!!!!!!!


 「え??」


 侍の持っている刀は本物だった。 

そして、血も吹き出ている。 (このまま死ぬのか?) 

体が火照り、気持ち良くなっていく感覚がある。 

青年はそのまま気を失った。 


青年が目を覚ました。 

(あれ? 斬られたはずなのに生きている。 それにここはどこだ?) 

(一度来たことのあるような場所だな。) 

思い出せなかった。 


遠くから人が歩ってくる。 

(誰だ?)

 袈裟のような格好をした男が近くまできてこう言った 


「7つの宝に命を吹き込め。願いが叶う。」 


 それだけを言って立ち去ってしまった。

(願い?その7つの宝に命を吹き込めば生き返れるってこと? そもそも7つの宝ってなんだ?)


 青年は考えた。 


(まず、今自分が生きているのか、死んでいるのかわからない) 

(もし生きているのならば街のホールにいるはずだ。) 

(死んでいるのならば、ここはどこだ?天国?地獄?) 

(いやいや、地獄はない。) 

(自分でも言えるが地獄に落ちるほどの、罰当たりな人生は送ってない。) 

目を覚ましてからの一番初めの疑問戻る。 

(じゃあここは一体どこなんだ?) 

何がおきているのかさっぱりわからない。 

混乱状態に陥りそうな疑問の螺旋が、頭上をグルグルと駆け巡る。 


(生きているのか、死んでいるのかわからない。) 

(果たしてこれは夢なのか?) 

(頬をつねるが、普通に痛い。夢ではなさそうだ。) 

(じゃあ一体なんなんだ。ここはどこなんだ。) 


混乱した。 


誰かに連絡しようとしても、圏外で繋がらない。 

持ち物だって、使えそうなものが一つもない。 

青年が昔から習っていた『笛』なんて尚更使えるわけもなく。。。 


しばらく錯乱したが、少しして落ち着いた。 

とにかく歩き出してみよう。 

青年はどこへ向かっているのかわからない、気が遠くなるほどの道のりをただひたすらに歩いた。 

歩きながら、7つの宝の事を考えていた。 

 (7つか、、、、、そうだ。) 

直感で一つの事が頭に浮かんだ。 

それは彼が大切にしていた、7つの心だ。 


心の在り方。 
出逢いの大切さ。 
信じ続ける。 
未来を想う。 
感謝を忘れない。 
未完成だからこそ人だという事。 
夢は叶えるもの。 


この7つの心を探して、なにかをしろということではないかと本能的に勝手に解釈した。 

そして、自分の夢と掛け合わせてみた。 

 青年が抱く夢 「前衛的、和のエンターテイメントショー」とは 

日本の文化である、 

 『和太鼓』 
 『書道』 
 『殺陣』 
 『和楽器』 
 『歌舞伎』 
 『花魁』 
そして、それらを繋ぐ『総合パフォーマンス』


その7つを「群舞」で表現し、視覚のみで魅了する「アート」を掛け合わせ、創り上げる。

未だかつてない、エンターテインメントショーだ。 


 この世界は 夢を叶えるための世界なのかもしれない。。。 


 そう、ここは、、、 


 生と死の間(はざま)の世界。

 

 ここから彼の“夢”の物語が始まる。 


 (零璃音~Orion~ Prologue 完)  


TAISHIN suzuki

Original(独創的) Entertainment(娯楽) Culture(文化) Create(創作) 新時代 和*洋を融合させたEntertainmentを創作。 イベントプロデューサー YOSAKOI振付師 衣装デザイン 楽曲制作 チームLOGO ヒビオモフコト (日々想う事)

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